アイロンのかけ方

シワになりにくいアイロンのかけ方をアイロン歴13年のプロが伝授

10月だというのに暑い日が続きますね。この暑さの中でのアイロン掛けはなかなか億劫なものです。アイロン掛けをしていて1番ショックなのは、時間をかけて必死に仕上げたのに最後に全体を見てみると始めにかけたあたりがシワだらけ、、。といったパターンではないでしょうか?

私もクリーニング屋を始めたころは1枚のシャツをキレイに仕上げるのに30分くらいかかってました^^;

1つのシワを直すとまた違う所に新たなシワが、、。堂々巡りを繰り返し泣きそうになりながらアイロン掛けをしていた日々を思い出します。

アイロン掛けは出来れば余計なシワの手直しなく一発でビシッとキメたいものです。今回はシワになりにくいアイロン掛けの仕方をご紹介します。

◼シワを作る3条件

以下の3つの条件でシワは発生します。

①圧力

②熱

③水分

シワの原因は単純に圧力です。綿のシャツのソデを少し握ってやるだけでシワは簡単に発生します。圧力単体でシワは発生しますがこれに熱、水分が加わるとシワはより深く強く発生します。直接シワを作るわけではありませんが②と③が加わる事によりシワがより強力になるという意味でシワを作る3条件としています。

例えばスーツのお尻やひざ裏部分になかなかしぶといシワが出来た経験はないでしょうか?これは

①圧力=椅子に長時間座る 長時間しゃがむ

②熱=体温

②水分=体から出る水蒸気、汗

の3つがバッチリ揃っているため深く、強いシワが出来てまうのです。

シワをなるべく作らずアイロン掛けをするには一部分をアイロン掛けしたあとこの3つの条件をいかに取り除き次の部位をアイロン掛けするかが重要になってきます。

◼蒸気を抜きつつ 「回し掛け」がオススメ

では具体的にどうすればシワを発生させづらいアイロン掛けが出来るのか写真を交えご紹介していきます。

こんなことをしていませんか?

アイロンを掛けてキレイにシワが伸びる

すぐに次の部分のアイロン掛けにうつり、なおかつ最初に掛けた部分が写真の赤マルの部分ようにシワクチャになっている。

お判りと思いますが、赤丸の部分は衣類の重さによる圧力、アイロンの熱、アイロンの蒸気とシワを作る3条件がすべてそろっており当然後で見てみると、、

こうなります^^;

クリーニング業を始めた当初の私はこれをやっていたわけです。焦りとイライラで前にアイロンを掛けた部分の状態を何も考えず次に進み、ご丁寧に再びシワを作り出していたんです。

これを防ぐ為には蒸気を抜きつつ「回し掛け」をしてやるのがオススメです。回し掛けには写真のような高さのあるアイロン台を使用します。ニトリで2000円くらいで売っています。

このアイロン台を使用しシャツを左から背中→右へと回すようにしてアイロンを掛けていきます。ここでポイントなのが蒸気を出してアイロンを掛けた後にすぐに次の部分に移らず5秒ほど蒸気を出さない状態で生地をアイロンでおさえ、しっかりと生地から蒸気を抜いてあげることです。

最初はエリ

左ソデ

左胸

背中

ここで先にかけた左ソデ、左胸の状態を見てみましょう。

台が高いのでダラリと伸びた状態になっています。余計な圧力がかかっておらずシワになりづらい状態になっていることがわかります。今は背中のアイロン掛けをしていますがその間に左ソデ、左胸はアイロンの熱もしっかり抜けています。アイロン掛けをした時にすでに蒸気はしっかり抜いていますのでこの方法であればシワの3条件である圧力、熱、水分をバランスよく排除出来ているのがお分かりいただけると思います。

作業を続けます

右胸

右ソデ

それでも多少シワは出来ますので最後にどこかに衣類をつるし、小ジワを修正します。

完成です。

たたまずにそのままクローゼットにしまえばさらにシワになりにくいですね。

今回は写真だけでは少し伝わりづらい内容だったかもしれません。

簡単にまとめるとせっかくキレイにした部分を再びシワにしないためにシワを作る3条件を取り除きながらアイロン掛けをしましょうと言うことです。

最近は形態安定の衣類もすっかり定着し、アイロン掛けの必要性も減ってきていると思いますがお世話になっている衣類を自分の手でキレイに仕上げ、外に出かけるのもなんだか少し丁寧に生きている気がして気分がいいものです。

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