今回は写真の甥っ子が小学校で使用してる防災頭巾をお手入れしてみます。
夏休みのこの時期に防災頭巾のお手入れ方法に悩まれている方も多いのではないでしょうか。
日々の洋服と違い、学期中ずっと使用されているアイテムですのでその異次元の汚れっぷりに震えていらっしゃる方もこれまた多い事でしょう。
今回もチャチャっとキレイにしちゃいましょう!といきたい所ですが、この防災頭巾君、なかなかの曲者でございまして、、。
最近の防災頭巾はこのタイプが主流なんでしょうか。カバーと頭巾本体に分かれる形になっているんですね。
問題はここからです。
カバーの方は家庭洗濯可能なのですが。
頭巾本体はまさかの洗濯表示全部×。つまりは家庭での洗濯はもちろんクリーニング店での洗濯も出来ません。
洗濯NGの理由は単純です。
「洗濯(手洗いを含)をおこなうと難燃効果が薄れますので、洗濯は避けて下さい。」
むむう。それならばしょうがない。
どうやら甥っ子の防災頭巾には本体を燃えにくくする薬品がコーティングされているようです。
そのコーティングは手洗いであろうと水を使って洗濯してしまうと薄まってしまうんですね。
「カバーがしてあるから汚れないし問題ないでしょ。」
小学1年生の力を侮ってはなりません。
たとえカバーがしてあってもガッツリ汚してきます。まあ、チャックなどで完全に閉める作りではないので仕方がない事なんですけどね。おそらく緊急時にすぐに取り出せるようにあえてこの作りにしているのでしょう。
兎にも角にも、どうしたものか。
想定外の事態に頭を悩ませつつ、いっちょ作業の方を始めましょう。
①カバーの洗濯
まずは家庭での洗濯OKなカバーの処理から始めましょう。
さすがは1学期を乗り越えた頭巾です。これはおそらく食べ物のシミかな?
派手に汚れていますね。
ペンか鉛筆か手強そうな奴もいますね。
はたしてキレイに出来るだろうか。
台所用中性洗剤で揉み洗い
そこまで頑固そうな汚れがない場合は何もせず洗濯機にポンで問題ありませんがおそらく多くの場合はそうはいかないでしょう。
食べ物系、ペン系、絵の具系のシミが目立つ場合は台所用中性洗剤による前処理が非常に効果的です。
洗面器のような物に40℃のお湯をため、衣類を浸した後に台所用中性洗剤をシミ部分にぬりつけ揉み洗いします。
種類にもよりますが運が良ければこの作業でペン、絵の具のシミがキレイになる場合があるでしょう。
色落ちの可能性がゼロではありません。心配な場合は色落ちテストをしてから作業をすることをオススメします。
酸素系漂白剤に漬け込み
台所用中性洗剤で気になるシミが全部落ちてしまった場合はこの作業は必要ありませんが「食べ物系」のシミが強い場合はおそらく台所用洗剤だけでは落ちきれません。
食べ物のタンパク質や油分が酸化して漂白剤を使わないと落ちない状態になっちゃってるんですね。
そんな場合は60℃のお湯3ℓに粉末の酸素系漂白剤を50g投入、棒のような物でかき混ぜて漂白剤をしっかりと溶かし、カバーを投入、30分程漬け込んでみて下さい。
*給湯器を使って60℃のお湯を用意した場合は作業後に温度を下げる事をお忘れなく
60℃ってかなり高い温度ですよね。粉末の酸素系漂白剤は40℃を超えたあたりからその効果を発揮し始めます。60℃くらいが高い効果を発揮する温度なのですが色落ちやダメージ等が心配な場合は40℃での漂白を行ってみて下さい。
私は写真の漂白剤を使用しました。
漂白剤は必ず酸素系の物を使用するようにしてください。間違って塩素系を使用してしまうと色が抜けてしまいます。
有名所だとオキシクリーンでも大丈夫です。
30分経過しました。
分かりづらいですが色がちょっと出ちゃってますね^^;
実はこのカバー、漂白禁止なんです^^;
「多少の色落ちよりシミの除去」ということで完全自己責任の上で漂白をしてみました。
色落ちを避けたい方は漂白の作業は避けた方が良さそうです。
漂白剤は使用に際に少しのコツと知識が必要となります。ちょっと自信がないなという方は下の記事を参考にしてみて下さい。
洗濯機で洗う
作業に戻ります。
30分の漬け込みが終了したら、いよいよ洗濯機での洗浄です。
洗濯表示は「手洗い」を指示していますがごめんなさい。これまた自己責任で普段の洗濯物と一緒に普通コースでガシガシと洗っちゃいます。
液温は40℃、洗剤は最近お気に入りの洗濯石鹸そよ風を使用します。
ことごとく洗濯表示を無視してしまっていますがカバーに関しては難燃のコーティングはされていない(メーカーに確認済み)そうなので汚れ落とし優先で強めの洗浄を行いました。
そこまで汚れが気にならない場合は洗濯表示の指示通り、エマールなどのおしゃれ着用中性洗剤を使って手洗いする方法が衣類へのダメージが少ないのでオススメです。
エマールを使った手洗いの方法は以前記事にしていますのでよろしかったらそちらを参考にしてみて下さい。
日陰で自然乾燥
洗濯機での洗濯が終了したら日陰で自然乾燥です。
はたしてキレイになったかな?
バッチリですね。
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インク系のシミも運よく落ちてくれました。
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②頭巾本体の洗濯
ふぅ。
一息つきたいところですが、まだ肝心な奴が残っていましたね。
洗濯NGの本体の作業に移りましょう。
カバーについては洗濯表示をことごとく無視し、汚れ落とし重視の作業を行ってしまった訳ですが本体に関してはそうはいきません。
表示を無視して水洗いをしてしまうと難燃加工の効果が薄れてしまう事がその理由です。
それでもやっぱりキレイにしたい。
さてどうしたものか。
答えは洗濯表示にありました。
「汚れた場合は、薄めの中性洗剤で軽く拭き取ってください。」
ちょっと分かりづらいですよね。
具体的に作業の様子を見ていきましょう。
台所用中性洗剤をお湯で薄める
ここでも台所用中性洗剤の登場です。
洗面器のような物に2リットルのお湯(40℃)を用意し、台所用中性洗剤を5,6滴ほど投入、良くかき混ぜます。
ここで使う洗剤はエマール、アクロンのような衣類用の中性洗剤でも大丈夫です。
タオルのような物を液に浸し、良く絞る
タオルのような物を先ほど作った液に浸して
良く絞ります。
汚れ部分をタオルで軽く拭き取る
先ほどのタオルを使い、汚れ部分を軽く拭き取ります。
日陰で自然乾燥
ビショビショにはなりませんが少し水分が滲みます。洗ったカバーと一緒に日陰で自然乾燥しておいた方がいいでしょう。
果たしてどれほどキレイになったかな?
こんなところでしょう!
さすがに普通の洗濯ほどはキレイになりませんね。ここは汚れより甥っ子の安全が優先です。
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何もしないよりは断然いいですね。
そんなこんなで完成です。
カバーをキレイにしてしまえば本体の汚れは全く気になりませんね。
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ということで今回は異次元に汚れた甥っ子の防災頭巾を出来うる限りキレイにしてみました。
私たちの時代(○十年前)はただのフカフカした布にゴムが付いただけだった気がする防災頭巾ですが、技術の進歩により難燃の繊維が使われ、しかも難燃のコーティングまでされているとは驚きです。
作業はカバーと本体に分けた2つの処理をしなければならないので正直手間はかかりますが子供たちの安全を考えるととても嬉しい進化ですよね。
当然のように店に来て私に何も言わずに防災頭巾を置いて行った妹よ。
来年はこの記事を読んで自分で洗ってね。