シミ抜き・特殊加工

進化により日々落とすのが難しくなっているペンインクのシミ抜き

今回はお客様よりご依頼のホワイトボードマーカーのシミ抜きの様子をお送りします。

まず最初に当店では無料のインク系のシミ抜き剤を塗布し、このシミの強さを調べてみましょう。少しついたボールペンのシミ程度ならこのシミ抜き剤で落ちてしまうのですが、、

予想通り、少し薄くなりましたがまだ目立つシミが残ってしまいます。

中々の強敵のようです。

無料のシミ抜き剤では落としきれなかったのでここからは有料のシミ抜きの作業となります。最初のシミ抜き剤よりも強力なシミ抜き剤を塗布します。

強力なので頼れる存在なのですが、繊維によっては溶けたり、色が抜けてしまうシミ抜き剤なので作業するお品物の性質をしっかり見極めて使う必要があります。

大分落ちましたがそれでも薄く残っています。ここまでやって最後まで残るものは大抵、顔料です。

この顔料が中々のクセ者。

水にも油にも溶けない不溶性の物質なのでシミ抜き剤で溶かして除去する事が出来ません。つまりは非常に落ちづらい。

最近よく聞くゲルインクのボールペンは主成分が顔料なので非常に落としにくくクリーニング屋も手を焼く強敵です。

そんな強敵の顔料を除去するには顔料を繊維から離れやすくする薬剤を塗布して水流などの物理的な力で押し流してしまう方法が有効です。

顔料は繊維の表面に乗っている状態なので繊維の裏から叩き出してやるのが1つのテクニックだったりします。

雑に言えば小さな砂のようなものなので表から叩き出そうとすると顔料が繊維の奥に入り込んでしまい、非常に落ちにくくなってしまうんです。

キレイになりました。

最近はペンインクの世界も、先程お話ししたゲルインクを筆頭に、擦ると消えるフリクションペン、超速乾ボールペンなど多様化、複雑化が進んでいる印象です。

シミ抜きの現場でもなんか落ちにくいインクのシミが増えたなあと感じています。

日々、進化を続ける強敵を倒す為、

当店も実は密かに勉強していたりするのでインクのシミでお悩みの際は一度ご相談下さい。

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