シミ抜き・特殊加工

雨の山を走り泥だらけのトレランシューズを頑張ってキレイにする

今回は友人からの依頼で写真の泥だらけトレランシューズを頑張ってキレイにしてみます。

トレランのイベントで雨の中鎌倉の山道を走ったとの事でご覧の通りの泥だらけ。

自分で中性洗剤、漂白剤、歯ブラシなどを使って頑張ってみたもののこれ以上はどうにもならないので何とかならないかというご相談。

見るからに強敵の予感がするのですが、、。

いいでしょう!その挑戦受けて立った!

泥は不溶性の汚れ

作業を始める前に、泥汚れとはどういった性質があるのかちょっと勉強しておきましょう。

衣類に付く汚れは大きく3つに分けられます。

①油溶性の汚れ

②水溶性の汚れ

③不溶性の汚れ

①の油溶性は油に溶ける汚れの事。代表的な所で言うと口紅、ファンデーション、皮脂などでしょうか。

②はもうお分かり、水にとける汚れ。コーヒー、汗などが該当します。

①、②は洗剤やシミ抜き剤を使ってそのものを溶かし、洗ってやることで比較的容易に除去することが可能です。

問題は③の不溶性の汚れです。

読んで字のごとく溶けない汚れ。

水、油はもちろんのこと洗剤、漂白剤、シミ抜き剤にも溶けません。

つまりは洗って落とすことが非常に難しい汚れです。

今回のシューズについた「泥」は果たして何溶性でしょうか?

もちろん不溶性な訳です。

さらに問題なのはこの不溶性汚れ、人間が付着後に「動く」ことで繊維の奥深くに入り込んでしまっているパターンが非常に多い。

【繊維の奥に深く入り込んだ溶けない汚れ】

これはもう強敵以外の何者でもない訳です。

さあさあこの手強い不溶性汚れ、一体どのようにして除去していくのか。

答えは意外とシンプル。

‘‘汚れを繊維から剥がれやすくして、力を加えて叩き出す‘‘

何にせよ溶けないので繊維から汚れをうまいこと引き離し、物理的に繊維の外に掻き出してやるしかない訳です。

「何だ簡単そうじゃん。」

理屈は確かに簡単。でも実際の作業は中々大変なんですよ(泣)

前置きが長くなりました。

猛暑の中おじさんが泥汚れの撃退に奮闘する様子をお楽しみください。

洗剤に漬け込み+ブラシ

改めてシューズの状態を見てみます。元は真っ白のトレランシューズ。泥が付いた次の瞬間から靴を激しく動かし走っているので泥が内部まで深く入り込み、非常に落ちにくくなっている状態です。

そんな時には漬け込みです。バケツのような物に40℃のお湯を入れ洗剤を適量投入。2時間ほど漬け込みます。

これにより、先ほど書いたように泥が繊維から剝がれやすくなる効果が望めます。

中敷と靴ひもは取り外してあります。

漬け込みにより繊維から泥を剥がれやすくしましたのでお次は汚れを繊維から叩き出す作業。

靴用ブラシを使い、泥汚れを繊維から叩き出します。

ブラシの毛をシューズの繊維の奥深くまで通し、汚れを掻き出すイメージです。

ほぼ残ってますね。やはり中々の強者です。

エネロクリーン+ブラシ

次の一手は当ブログではお馴染みのエネロクリーン。こいつのちょっと頑固な汚れに対する実績は抜群です。泥汚れにも高い効果を発揮します。

つま先とゴム部分が特に強敵の甥っ子の上履きをキレイにしてみる写真の上履きは甥っ子が幼稚園で履いている上履き。上履きは白いものが多いので汚れが良く目立ちます。 毎回その洗濯に苦労しているお父さ...

エネロクリーンをシューズにこすり付け同じく靴用ブラシで擦ります。

大分良くなりましたがまだ頑固な奴が居座っていますね。

私物であればどうせまた汚れるのでこのくらいで良しとするところですが今回は友人からの依頼品。

完全にお仕事スイッチが入っていますのでもうちょっと頑張ってみます。

しかし残念ながら本日はここで時間切れ、さらなる一手は後日打つこととします。

強敵といいつつ、これだけで落ちると思っていた自分がちょっと恥ずかしい、、。

泡が出なくなるまで良くすすいで。

タオルで脱水。

日陰で自然乾燥。この自作の靴用ハンガー結構使えます。

>靴用ハンガーの作り方

次の対戦まで力を蓄えておく事としましょう。

3倍量の洗剤に漬け込み+ブラシ

後日、意気揚々とリベンジ開始です。今回でキッチリ勝負をつけてやります。

初回の洗剤量の3倍の液にシューズを2時間ほど漬け込みます。

ブラシでゴシゴシ。

エネロ+ブラシ

エネロをこすりつけブラシでゴシゴシ。

さすがにこれは勝負ありでしょう。

まだおるんかい!

こうなったら最終手段です。クリーニング屋の底力見せてやりましょう。

機械の力+シミ抜き剤

最後の一手はこいつ。シミ抜き用の機械でフィニッシュを狙います。

ノズルの先から勢いよく水が出て汚れを繊維からすすぎ出してくれるアイテムです。

ダメ押しにこいつも使っておきましょう。

繊維から不溶性汚れを剥がれやすくするシミ抜き剤です。

うりゃっつ!!

完成

手間かけさせやがって、、。

before

よーく見ると赤丸の辺りがまだ微妙に茶色いのですがこの部分は接着剤で生地と生地をくっつけてある構造。あんまりやり過ぎると接着剤が剥がれちゃいそうなのでこの辺りで勘弁してもらいましょう。

とは言えかなりキレイにすることが出来たのではないでしょうか。

before

友人からご依頼の強敵、泥んこトレランシューズ。何とかキレイにすることが出来ました。

一度休憩を挟んだので長くなり複雑な作業をしたように感じますが、整理してみると

①漬け込み+ブラシ

②エネロクリーン(洗濯用固形石鹸)+ブラシ

③シミ抜き機+シミ抜き剤

④すすぎ→脱水→乾燥

と意外と工程数は少ないです。

作業前は正直キレイに出来るか心配でしたが友人もちょっと感動して喜んでくれたので結果としては大成功と言えるのではないでしょうか。

ところでこの友人が参加したトレランイベント、これまた私の友人が運営するサービスのイベントだったりします。

トレランはもちろんのこと登山、マラソン、SUP、サイクリングと様々なスポーツアクティビティーを楽しむ場を提供しているようですのでご興味のある方は軽くサイトの方を覗いてみてください。

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