液体中性洗剤

抗菌EX(旧3X)との違いは?アタックZEROってメチャクチャ使える洗剤です

久々の洗剤深掘りシリーズ。

今回は”洗濯愛してる会”のCMでもお馴染みのアタックZEROを深掘りです。

その効果から、アタック抗菌EX(旧3X)との違い、洗浄力までクリーニング屋目線でdeepに掘り下げます。

自分で言うのもなんですが今回はいつになく勉強になりますよ~!

効果・特徴

製品裏面の説明と公式サイトからアタックZEROの効果と特徴をまとめてみました。

①抗菌+(プラス)=24時間部屋干し臭を防ぐ

②ウィルス除去=ウィルスを99%除去

③洗濯槽の防カビ=洗濯槽のカビを防ぐ

④すすぎ1回OK

⑤蛍光増白剤無配合

*「すべてのウィルス、菌、カビに効果があるわけではない」の記載あり。

何かと気になる菌、ウィルス、カビに対してしっかりアプローチしてくれる洗剤のようですね。

最近すっかり定着のすすぎは1回でOKも嬉しいポイント。

蛍光増白剤については後ほど触れようと思います。

洗えるもの・洗えないもの

お次はどんな衣類が洗え、洗えないかを見ていきましょう。

製品裏面の液性、用途、成分+ピンクの□内の表示を読み解くと何が洗えて、洗えないかを知る事が出来ます。

液性

まずは【液性】から。「中性」とありますね。

「中性」であるとどんな良い事があるのでしょうか?

衣類用洗濯洗剤の液性には「弱アルカリ性」と「中性」の2種類が存在します。

ご存じの方も多いと思いますが「弱アルカリ性」の洗剤は「中性」の洗剤より洗浄力が高いです。

「弱アルカリ性」の洗剤は洗浄力が高い分、色落ちや衣類に対するダメージのリスクが「中性」の洗剤より大きいです。

「中性」の洗剤は洗浄力が弱い分、「弱アルカリ性」の洗剤では洗うのを戸惑ってしまう色の濃い衣類を比較的安心して洗う事が出来ます。(すべての衣類が色落ちしない訳ではありません。)

洗浄力は少し弱いがより多くの種類の衣類を洗う事が出来るのが「中性」の洗剤のメリットですね。

「白物、色物をいちいち分けるのが面倒だ!」なんて方には嬉しいポイントではないでしょうか。

繰り返しになりますがすべての衣類が色落ちしない訳ではないのでご注意を。新しく購入して初めて洗う色の濃い衣類は洗濯前に色落ちテストをすると安心です。

>色落ちテストのやり方はこちら

用途

お次は【用途】

綿・麻・合成繊維の洗濯が可能です。合成繊維とはポリエステル、ナイロンなどの化学繊維の事です。

毛(ウール)や絹(シルク)などのデリケート衣類は洗わない方が良いでしょう。

成分

【成分】にも注目してみましょう。

界面活性剤、安定化剤、酵素の比較的シンプルな成分構成となっています。

界面活性剤は汚れ落としの主役、酵素はエリの皮脂汚れや食べ物汚れを落としやすくしてくれる成分です。

酵素はたんぱく質を分解する効果があるのでたんぱく質そのものであるウールやシルクを洗ってはいけない理由がここにある事がわかりますね。

蛍光増白剤無配合な点にも注目してみましょう。

蛍光増白剤は白い衣類をより白く見せてくれるという成分です。白い衣類に対しては非常に便利な成分なのですが「生成り」、「パステルカラー」の衣類を色褪せた様に洗い上げてしまう事があるという弱点が存在します。

便利だが洗える衣類の種類を減らしてしまう蛍光増白剤を無配合とすることでより多くの衣類を洗えるようにしたいというメーカー側の意図が伺えますね。

>洗剤の成分について詳しくはこちら

ピンク□

最後は【ピンク□】

ピンク□内の洗濯表示がある衣類もこの洗剤では洗わない方がいいでしょう。

「水洗い禁止」の表示は当然の事ながら「手洗い」の表示の衣類を洗うのも良くないようです。

>洗濯表示について詳しくはこちら

ゴチャゴチャしましたね。まとめます。

まとめ

①綿、麻、合成繊維が洗える。

②ウール、シルクは洗えない。

③「中性」なので「弱アルカリ性」の洗剤より色落ちの心配が少なく濃色の衣類を洗濯することが出来る

④蛍光増白剤無配合なので「生成り」、「パステルカラー」の衣類が洗える

⑤下の洗濯表示があるもの

は洗わない。

ドラム式専用もある

ドラム式洗濯機専用のアタックZEROも販売されています。

CMで見たことがありますね。プッシュで液体の洗剤が出てくるタイプの洗剤です。

分散剤が入っている以外は成分、注意点などノーマルタイプと同じです。

アタック抗菌EX(旧3X)との違い

アタック3Xは2022年にアタック抗菌EXにリニューアルされました。

パッケージと名前が変わったのみで中身は全く同じものということです。(メーカーに確認済み)

つまりはアタック3Xとアタック抗菌EXは全く同じ洗剤ということになります。

今回の比較は新しい名前のアタック抗菌EXとアタックZEROという形になっていますがアタック3XとアタックZEROの比較と考えて頂いても大丈夫です。

同じアタックと言う名を冠していてCMでもよく見る写真左のアタック抗菌EX(旧3X)と今回ご紹介しているアタックZEROとの違いって何なんだろう?

気になっている方も多いのではないでしょうか。

先ほどと同じく製品裏面の説明を比べてみるとその違いは一目瞭然です。

上がアタック抗菌EX(旧3X)、下がアタックZEROの製品裏面の表示です。

まずは液性にご注目。アタック抗菌EX(旧3X)は「弱アルカリ性」アタックZEROは「中性」ですね。

液性から判断するとアタック抗菌EX(旧3X)の方がアタックZEROよりも洗浄力が高いことが分かります。

お次は成分を見てみましょう。アタック抗菌EX(旧3X)にはアタックZEROには配合されていない「アルカリ剤」「蛍光増白剤」が配合されていますね。

アルカリ剤は洗浄力を高める成分。蛍光増白剤は先ほども書いたように白い衣類をより白く見せてくれる成分です。

成分からもアタック抗菌EX(旧3X)はアタックZEROよりも洗浄力が高そうだと感じる取る事が出来ますね。白いシャツ系をガシガシ洗う成分構成と言えるでしょう。

反面、洗浄力を高めて蛍光増白剤を配合したことにより洗える衣類の数がアタックZEROより少なくなってしまっています。

・洗浄力は高いが洗える衣類の数が少ないアタック抗菌EX(旧3X)

・洗浄力は低いが洗える衣類の数が多いアタックZERO

と言ったところでしょうか。

アタック抗菌EX(旧3X)については以前、今回のように深掘りしています。ご興味のある方は是非ご一読を。

【多機能】今の時代はアタック抗菌EX(旧3X)さえあれば十分だ?久しぶりとなりましたが市販の洗剤や柔軟剤などをクリーニング屋目線で「深掘り」するシリーズ第2弾です。 今回深掘りするのはアタック抗...

私だったらこんなものを洗います

アタックZEROの話題に戻ります。

ここからはアタックZEROの具体的使い方とその実力について検証していきたいと思います。

今まで散々書いてきた通りアタックZEROは色落ちなどのダメージの心配が少なく、幅広い衣類を洗濯することが可能です。

私だったら上の写真のように

①皮脂やら汗やらたっぷりのタオル

②パステルカラーっぽいトレーナー

③生成りっぽいハーフパンツ

④エリの汚れが気になるポロシャツ

⑤色の濃い綿のパンツ(色落ちテスト済み)

靴下、下着を洗ってもいいですね。

私物の水洗い出来る衣類は大体洗えちゃうんじゃないでしょうか。

洗浄力(抗菌EXとの比較あり)

最後に気になる洗浄力を見ていきましょう。

ファンデーションは油汚れ=「皮脂」

卵はタンパク汚れ=「食べ物」

カレーは色素汚れ

を想定していっちょその洗浄力の程を見せていただきましょう。

「弱アルカリ性」のアタック抗菌EX(旧3X)より洗浄力は弱いというけれども果たしてどの程度弱いのか気になるところです。

ちなみに洗浄力については各ご家庭で洗濯条件が異なる事と思いますのであくまで参考程度にお考え下さい。

それでは洗って行きましょう。

水温は30℃。裏面に記載の洗剤量を投入し、普通コースで洗いました。

結果はいかに、、。

おお。正直想像以上です。

写真では分かりづらいですが油、たんぱく質ともに少し汚れが残っている感じです。カレーの色素汚れは「弱アルカリ性」でも真っ白にはならないのでこれくらいがいい所でしょう。

アタック抗菌EX(旧3X)の洗浄後と比べてみましょう。

写真の光の具合で分かりずらいですが油、たんぱく汚れに関してはアタック抗菌EX(旧3X)は洗濯でほぼ落ちています。色素の落ち具合を見てみると抗菌EX(旧3X)の方が若干洗浄力が強い事がよく分かりますね。

やはり洗浄力は「弱アルカリ性」でアルカリ剤によって洗浄力を高めているアタック抗菌EX(旧3X)に軍配が上がる形となりました。

しかし、どうでしょう?これくらいの差ならより多くの衣類を洗えるアタックZEROの方が使い勝手がいいのではないかと思ってしまうのは私だけでしょうか。

[まとめ]アタックZEROは幅広い衣類が洗えるマルチ洗剤

今回ご紹介したアタックZERO。洗濯洗剤の世界では液体タイプで中性の洗剤なので「液体中性洗剤」という名前でカテゴライズされています。

ちなみにアタック抗菌EX(旧3X)は液体の弱アルカリ性の洗剤なので「液体弱アルカリ洗剤」となります。

実はこの「液体中性洗剤」、洗浄力は「弱アルカリ性」の洗剤よりは劣るものの、衣類へのダメージが少なく幅広い衣類が洗えるので各メーカーが開発に一番力を入れているジャンルと言われているんです。

「中性」でありながら「弱アルカリ」並みの洗浄力を実現すべく各社がその技術の粋を結集し、日夜研究に励んでいるという訳です。

今回の結果を見ても、その洗浄力は「液体弱アルカリ洗剤」に確実に迫っている事がよく分かりましたよね。

ちなみに「液体中性洗剤」は

KAO=アタックZERO。

LION=NANOX

P&G=アリエールジェルボール

の名前で販売されています。どれもCMでよく目にしますよね。

普段の生活でそこまで激しく衣類が汚れないよなんて方はアタックZEROのようなより多くの衣類を洗える「液体中性洗剤」は最も使い勝手が良い洗剤と言えるのではないでしょうか。

「液体弱アルカリ洗剤」の存在は、、?

何だかすっかり影が薄れてしまった印象ですが、単純に洗浄力のみを取ればまだ「液体弱アルカリ洗剤」に分があります。

「Yシャツのエリ汚れが気になる。」

「子供の食べこぼしが、、。」

「白いシャツをより白くしたい!」

強めの汚れの除去や衣類の白さを求める方は「液体弱アルカリ洗剤」は力強い味方となってくれるでしょう。

ご自身がお持ちの衣類の状態に合わせ、洗剤をうまく使いこなせれば面倒になりがちな洗濯ライフが少しだけ楽しいものになるかもしれませんよ?

  • おすすめの投稿がありません
関連記事