お馴染み洗剤深掘りシリーズも第5弾となりました。
アリエールのジェルボールには様々な種類がありますが今回はおそらく一番スタンダードなタイプと思われる「アリエールバイオサイエンスジェルボール4D」(以下ジェルボール)を深掘りです。
今でこそすっかりお馴染みとなり我々の生活に定着した感のあるジェルボールですが発売当初は「何やらすごそうな洗剤が出てきたな。」とクリーニング屋としては半分興味、半分恐怖でこの洗剤を出迎えたことをよく覚えています。
ということで今回は今さらながら何だかすごそうな「ジェルボール」を深掘りです。
効果・特徴
製品裏面の説明と公式サイトの情報からジェルボールの効果と特徴をまとめました。
①漂白剤なしで1発洗浄
②抗菌
③洗濯槽の防カビ
④すすぎ1回OK
⑤ドラム式洗濯機に使用OK
他洗剤同様、我々が求める機能をしっかりと詰め込んでくれていますね。
すすぎ1回を1番初めに前面に押し出したのはこの洗剤だった気が、、。(違っていたらすいません。)
洗剤の分量をわざわざ量ることなく洗濯機にポンで洗濯出来てしまう点も忘れてはならない特徴ですね。
洗えるもの・洗えないもの
お次はどんな衣類が洗えて、洗えないかを見ていきましょう。
製品裏面の液性、用途、成分+ピンク□内の表示を見ていくと何が洗えて、洗えないかが分かります。
液性
液性は「中性」。
洗濯洗剤には「弱アルカリ性洗剤」と「中性」の2種類がありますが「中性」は「弱アルカリ性」に比べ洗浄力が低く、衣類へのダメージが少ないため「弱アルカリ性」の洗剤では洗うのをためらってしまうような衣類を安心して洗う事が出来ます。
濃色の綿のTシャツを洗うパターンを想定すると分かりやすいでしょうか。
洗浄力が強いという事は衣類の色を落とす力も強いという事になりますのでいかにも色落ちしそうなTシャツなどを洗う時は「弱アルカリ性」の洗剤よりも「中性」の洗剤を使った方が安心と言う訳です。
お持ちの衣類は白系より濃色系が多いなんて方は「中性」の洗剤を普段の洗濯に使うと安心ですね。
用途
綿・麻・合成繊維の洗濯が可能との表示。合成繊維はポリエステル、ナイロンなどの化学繊維を意味します。
毛(ウール)や絹(シルク)はこの洗剤では洗わない方がいいでしょう。
成分
分散剤、金属封鎖剤、水軟化剤、酵素は汚れ落としの主役、界面活性剤の働きを助けてくれる成分です。中性で洗浄力が弱めな分、これらの成分で洗浄力を高めようする意図が感じられますね。
最も注目すべきは蛍光増白剤でしょうか。
蛍光増白剤は白い衣類をより白く見せてくれる成分です。
白い衣類に対しては便利な成分なのですが生成りやパステルカラーなどの淡色の衣類を色あせた様に見せてしまうという特徴があります。
これらの衣類はこの洗剤で洗わない方がいいですね。
ピンク□
上記の洗濯表示のある衣類にはこの洗剤を使わない方が良いでしょう。
長くなりました。まとめます。
まとめ
①「中性」なので濃色の衣類を「弱アルカリ性」の洗剤より安心して洗える。(すべてが色落ちしない訳ではない。)
②綿・麻・合成繊維が洗える(ウール・シルクは洗わない。)
③蛍光増白剤配合なので生成り、パステルカラーなどの淡色の衣類は洗わない。
④下の洗濯表示がある衣類は洗わない。
私だったらこんなものを洗います
今までの知識を踏まえ私だったらこんなものを洗います。
①いろいろ汚れているであろうタオル。
②エリ汚れが気になるポロシャツ。
③濃色の綿のパンツ。(色落ちテスト済)
④濃色のフリース。(色落ちテスト済)
下着や靴下を洗ってもいいですね。
洗浄力
最後に皆さんお待ちかね洗浄力の方を見ていきましょう。
ファンデーションは油汚れ=「皮脂」
卵はたんぱく汚れ=「食べ物」
カレーは色素汚れ
を想定していっちょその洗浄力の程を見せていただきましょう。
ちなみに洗浄力は各ご家庭で洗濯環境が異なると思いますのであくまで参考程度にお考え下さい。
それでは作業開始です。
水温はいつもと同じ30℃。ジェルボール1個を投入し普通コースで洗濯しました。
果たしてどの程度落ちているかな?
やるではないか。
写真では分かりづらいですが油、たんぱく質汚れはうっすらと残っている様な状態です。
うっすら残っていると言っても正直十分な洗浄力という印象です。日常の生活で付く程度の皮脂やたんぱく質汚れなら十分に落としてくれる洗浄力ではないでしょうか。
良い機会なので以前深掘りしたアリエールの洗浄力と比べてみましょう。アリエールは中性よりも洗浄力が強い液体タイプの「弱アルカリ性」の洗剤です。
やはり「弱アルカリ性」のアリエールに軍配が上がりそうですね。
しかしその差はわずかと言えるのではないでしょうか?
[まとめ] 中性でも洗浄力はバッチリ。洗濯機にポンは現代人の強い味方
今回は「アリエールバイオサイエンスジェルボール4D」を深掘りしてみました。
洗浄力でみるとやはり「弱アルカリ性」の洗剤には劣りますがその差はわずか。
普段そこまで激しく衣類が汚れない。濃色の衣類を多く所有している。
なんて方の普段使いには最適の洗剤なのではないでしょうか。
何よりお仕事で疲れた夜なんかにジェルボールをポンで洗濯出来ちゃう所が良いですよね。
忙しい現代人の強い味方の洗剤と言えるのではないでしょうか。
日々進化する洗濯洗剤。クリーニング屋としてこれからも日々その進化に注目し、知識を深めていく所存です。