修理&色修正

変色&色褪せしたパタゴニアのキャップを市販の染料で染める

久々の「染める」シリーズとなります今回は写真のパタゴニアのキャップを市販の染料を使って染めてみようと思います。

夏場の釣りで日光を浴び、汗をかき、その度に洗濯機でガンガン洗っていたのでご覧の通り変色&色褪せがMAXの状態となっております。

今のままでも「いい感じで色落ちして味がある。」なんて捉え方も出来そうですが、何を隠そう私、ブログを通じてすっかり「染め」の楽しさに気づいてしまった男。

ワクワク気分でいっちょ作業開始です。

ブランドのネームタグを外す

染めの作業開始前に正面と後ろ部分にあるパタゴニアのネームタグは染まってしまうと困るので取り外しておこうと思います。

カッターで縫い目を切断し取り外します。生地を傷つけないように縫い目だけを切断するのは意外と難しい、、。

後ろ部分のタグはミシンでビックリするほどしっかりと縫い付けられていたので取り外すのは諦めました(^^;)

取り外し完了です。

色の濃い部分がこのキャップの元の色。いかに色落ちしているかお分かり頂けると思います。

染めの作業開始

下準備が整った所でお待ちかね染めの作業開始です。

今回私が染めるキャップの素材は綿100%なので綿を染めることの出来る写真の染料を使用します。

色はこのキャップに一番近いと思われるネイビーブルーを選んでみました。

洗う

染めの作業開始前にもう1工程だけすみません。

染料をよりしみ込みやすくするためにキャップに付いた余計な汚れを落としておいた方がいいでしょう。

私はダメージを気にせず洗濯機でガンガン洗ってしまっていますがツバの部分が折れてしまうことがあるので本当は手洗いがいいですね。

>キャップの手洗いの仕方はこちら

染料を溶かす

お待たせしました。いよいよ染めの作業に入ります。

まずは染料を溶かす作業から。

耐熱のボウルのようなものに500mlの熱湯を用意し、染料を丸々1つ投入。

お箸のようなものでかき混ぜよく溶かします。

私が使ったステンレス製のボールはダイソーで200円で買えます。

染め液をつくる

鍋のようなものに70℃のお湯5ℓを用意し、先ほど作った染料と塩50gを投入。

染め液をつくります。

私は使わなくなったステンレス製の料理用鍋を使用しています。

キャップを投入

ついにキャップの投入です。

お気づきと思いますが今回の作業場所はキッチンです。

コンロで70℃をキープするように火をかけながら30分ほど染料に漬け込みます。

今回私が使用した染料は30℃以上の温度があればしっかりと染まってくれるという中々優れたタイプの染料なのですが温度が高いほどよく染まるとのことなので自己判断で70℃で染めてみました。

微妙に浮いてくるので時折箸を使って沈めたり、かき回したりして全体がキレイに染まるよう心掛けます。

今更気になったのですがキャップのツバの部分ってうまく染まるのだろうか。

ソーピング(洗い)

30分の染めの完了後はソーピング(洗い)の作業へと移ります。

染め液から取り出したキャップを軽くすすいだ後、台所用中性洗剤を溶いたぬるま湯で洗います。

水ですすぐ

洗いが終了したら水で泡が出なくなるまでしっかりすすぎます。

色止め

染め+洗いの作業が完了。ここで完成となればいいのですが染めの作業の後は「色止め」をしておくことをオススメします。

今の状態では染料が繊維にしっかり定着していないので事あるごとに色移りを起こしてしまいます。(この作業で完全に色落ちしなくなるというわけではありません。)

「色止め」には写真の色止剤を使用しました。染料と同じ「みや古染」の色止剤です。

ぬるま湯に色止剤を適量投入。20分ほど浸します。

付属のキャップ1杯分の色止剤を投入したかったのですが、どういうことかキャップをなくしてしまいました(^^;)

こんなもんだろうと適当量を投入してみました。

脱水

20分の色止め作業終了後、タオルで脱水。

色止めをしているとはいえタオルに色が付く可能性が高いです。色がついても問題のないタオルを使用します。

洗濯機で脱水でもいいですがこれくらいの大きさならタオルの方が早くて楽です。

日陰で自然乾燥

日陰で自然乾燥。今の時期(1月)であれば一晩もあれば乾くと思います。

染めの作業終了。

乾燥が終わり、染めの作業は終了です。

いい感じで染まってますね。心配していたツバの部分もしっかり染まってくれています。

黒の染料を少し混ぜれば元の色にもっと近くなりましたね。

しっかり縫われていたので外さなかった後ろのブランドタグは全く染まっていません。

理由はタグが化学繊維製だからでしょう。化学繊維は綿を染める染料ではこうも見事に染まらないのです。

正面のタグも外さなければ良かった、、。

洗濯でどれくらい色が出るかテスト

染めの作業は無事終了!タグを戻して完成といきたい所ですが、今回はどの程度色止めがしっかり出来ているかを確認するためのテストを行いたいと思います。

色止剤の説明書にも書いてあるのですが、色止剤は染めた衣類の色落ちを完全に防ぐものではありません。

あくまでも「何もしないよりは色が格段に落ちにくくなる」商品であると考えましょう。

ということで洗濯により果たしてどれくらいの色が出るのか検証です。

40℃のお湯に粉末の弱アルカリ洗剤を投入、洗濯機の普通コースで洗濯開始です。

ちょっと意地悪かなというくらい強い洗濯条件で洗濯してみました。

色落ちを極力防ぎたい場合は洗浄力の低いデリケート衣類用の洗剤(例:エマール)の使用がオススメです。

>洗濯洗剤の種類について詳しくはこちら

洗濯機を途中で止めてみました。洗濯水が若干青いのがお分かり頂けるでしょうか?

洗濯+乾燥終了後の写真です。赤丸部分が特に色落ちしているのがお分かり頂けると思います。全体的にも若干色落ちしている印象です。

やはり、色止剤を使用しても若干の色落ちは起っちゃいますね。

色落ちが落ち着くまでは単品洗い、または白系の衣類とは一緒に洗わない方向が良さそうです。

before

タグを縫う

今回は手縫いでいきます。

完成

いい感じではないでしょうか。

before

今回は散々に変色&色褪せをしたキャップを染め直してみました。

キャップのみならず同じように綿100%で普段洗濯をガンガンしているような衣類であれば今回ご紹介した方法で染め直しが可能です。

失敗の可能性がゼロではないので高級品、ハイブランド品はやめておいた方がいいですね。高額品の色修正は色修正が得意なクリーニング業者にお任せください。

薄くなったものを濃くしても良し、真っ白のものを好きな色に染めても良し、シミのついたTシャツをシミ隠しのために真っ黒に染めてしまっても面白そうですね。

「何だか難しそうだな。」

確かに少し手間はかかりますが作業方法は温度から時間、必要な道具まで染料に同封の説明書で丁寧に解説してくれていますのでご心配なく。

高級品やハイブランド品はやはり怖いですがいつの間にか使わなくなったかつてのお気に入りなんかでいっちょチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

やってみると色々な発見があって中々もって楽しいですよ。