漂白剤の知識

【苦手克服】衣類用漂白剤の種類と特徴

漂白剤と言えば「種類が多くて良く分らない。」「色が抜けそう」「何か怖い」といったイメージを持ってらっしゃる方が多いと思います。

漂白剤はうまく使えば私たちの洗濯の幅を広げてくれる優れもの。まずは種類とその特徴をおさえて「漂白剤使わず嫌い」を克服しましょう。

漂白剤とは

漂白剤とは読んで字のごとく、色を取り除いてさまざまなものを白くする薬剤の総称を指します。

漂白剤というと「白」という文字から何でもかんでも白くしてしまいそうなイメージですが衣類用の漂白剤には色柄物の衣類の漂白が可能なものが存在します。服の色素は破壊しないけど汚れの色素は破壊してくれる絶妙な強さの漂白剤ということですね。

衣類用の漂白剤は普段の洗濯では落としきれない頑固なシミを除去してくれたり、種類によっては除菌もしてくれたりします。

種類とそれぞれの特徴

それでは本題の衣類用漂白剤の種類と特徴を見ていきましょう。

上の表にあるように家庭用に市販されている衣類用の漂白剤は主に塩素系漂白剤酸素系漂白剤の2種類があります。本当は還元漂白剤というサビの除去などに使われる漂白剤も市販されているのですが家庭ではめったに使わないので今回は説明を省きます。家庭洗濯では塩素系と酸素系の2種類をおさえておけばバッチリです。

それぞれを詳しく見ていきましょう。

塩素系漂白剤

塩素系漂白剤は漂白力が強く、使えるのが白物に限られるため家庭洗濯で使うことはそこまで多くありませんが主成分の次亜塩素酸ナトリウムがコロナの除菌に有効であるとして注目されましたね。商品名では写真のハイターが有名です。

ハイターはキッチンハイター、トイレハイターなどたくさんの種類があるので混同しないように注意が必要です。衣類の漂白には「衣類用」ハイターを使用しましょう。

色柄ものはもちろんのことウール、シルクなどの動物繊維、アセテート、ポリウレタンなどの一部化学繊維、金属製のボタンやファスナーが付いた衣類に使えないなど使用にあたって制限が多く使い勝手はそこまで良くない漂白剤と言えますね^^;

塩素系の漂白剤は酸性の物質と反応すると塩素ガスが発生します。塩素ガスは人体に有害で最悪の場合死に至ります。塩素系漂白剤と酸性の物質は決して混ぜてはいけません。

酸性の物質の例

掃除用の酸性洗剤(例:サンポール)、食器用酸性洗剤(例:キュキュットクリア除菌)、クエン酸、食塩、アルコール等

酸素系漂白剤

酸素系の漂白剤は塩素系の漂白剤より漂白力が穏やかで色柄物の漂白に使えるのが特徴です。家庭で最も使い勝手がいいのが酸素系漂白剤なのでこいつに特に注目して読んでほしいと思います。

酸素系漂白剤には粉末と液体の2種類があり、粉末の方が液体よりも漂白力が強いです。どちらも色柄物に使えるのですが粉末は漂白力が強いためウール、シルクなどのデリケートな動物繊維には使えません。

酸素系は塩素系と同様、金属製のボタンやファスナーの付いた衣類には使えないという特徴もあります。除菌力があるので生乾きの衣類の臭い除去に使われたりもしますね。

商品名では粉末がオキシクリーン、液体はワイドハイターが有名です。

色柄物に使える事が大きな特徴の酸素系漂白剤ですが含金染料には注意が必要です。含金染料とは文字通り金属を含んだ染料でこの含金染料で染められた衣類を酸素系漂白剤で漂白すると染料の金属と漂白剤が激しく反応し衣類にダメージを与えてしまう事があります。ひどいときには衣服が破れてしまうほどのダメージを受けてしまうので使用前に目立たないところでテストをしておくことが大切です。

>目立たない場所でテストの仕方はこちら

含金染料は綿の衣類に使われることが多いのでストライプのYシャツなどを漂白するときには特に注意してください。

各漂白剤の特徴まとめ(表)

各漂白剤について表にまとめました知識の整理に是非ご活用を。

塩素系漂白剤

主成分 次亜塩素酸ナトリウム(アルカリ性)
漂白力 ☆☆☆
特徴 ・漂白力が強い

・酸性の物と反応して塩素ガスが発生する[混ぜるな危険]

使える衣類 ・水洗いできる白物の衣類(綿、麻、ポリエステル、アクリル)
使えない衣類 ・水洗いできない衣類

・色柄物の衣類

・ウール、シルク、ナイロン、アセテート、ポリウレタンなどの衣類

・金属製のボタンファスナーが使われている衣類

・下の洗濯表示がついた衣類

洗濯表示について詳しくはこちら

酸素系漂白剤(粉末)

主成分 過炭酸ナトリウム(弱アルカリ性)
漂白力 ☆☆
特徴 ・色柄物に使える

・液体の酸素系より漂白力が強い

使える衣類 ・水洗いできる白物、色柄物の衣類(綿、麻、化学繊維)
使えない衣類 ・水洗いできない衣類

・ウール、シルクなどの動物繊維の衣類

・金属製のボタン、ファスナーなどが使われた衣類

・含金染料で染められた衣類

・下の洗濯表示がついた衣類

洗濯表示について詳しくはこちら

酸素系漂白剤(液体)

主成分 過酸化水素(弱酸性)
漂白力
特徴 ・色柄物に使える

・粉末より漂白力は低いが毛、シルクなどの動物繊維に使える

使える衣類 ・水洗いできる白物、色柄物の衣類(綿、麻、化学繊維、毛、シルク)
使えない衣類 ・水洗いできない衣類

・金属製のボタン、ファスナーなどが使われている衣類

・含金染料で染められた衣類

・下の洗濯表示がついたもの

>洗濯表示について詳しくはこちら

1度に覚えるのは中々大変ですね。

「衣類用の漂白剤には主に塩素系と酸素系があって酸素系は色柄物に使えるんだあ。」位をまずは覚えて頂いて徐々に知識を深めて頂ければと思います。

「何かすっきりしたから漂白剤使ってみようかな!」そう思ってくれたありがたい方も実際に漂白剤をご使用になる際はもうちょっと細かいルールがあったりするので必ず製品裏面の「使用方法」「使用上の注意」をしっかり読んで使用し、普段の洗濯をばっちりレベルアップをしていただければと思います。

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