今回は友人からの依頼品です。
メルカリで気に入ったコートを購入したのはいいものの、写真では気づかなかった変色や色あせが見つかったとの事。
実際の色と現物が違う経験ってネットショッピングでは良くありますよね。
状態を見てみましょう。
確かに赤っぽい変色と色あせが気になりますね。エリとソデが特に目立ちますが全体的にこの変色と色あせがある状態です。
「全体をスパッと染めちゃって!」
ということなのでいっちょやっちゃいましょう!
素材は綿100%
染色を始める前にコートの素材を確認しておきましょう。
とっても運の良い事に素材は綿100%。
綿を染める事の出来る写真の染料を使用することにしました。
これが綿100%ではなく「綿80%、ポリエステル10%、ナイロン10%」のような混紡の生地だったりするとうまく染めることが出来なかったでしょう。
染め
早速作業を開始です。
今回使用する染料には写真の説明書が付属されていました。
こいつを参考に自分なりにちょっとだけアレンジを加えて作業を行いました。
80℃のお湯10ℓに染料を丸々1本投入。
続いて塩(180g)と台所用中性洗剤(12g)を投入しよく混ぜます。
どちらもより染まりやすくする効果があるようです。
いよいよ衣類を投入。
衣類は染まりを良くするためにあらかじめ洗っておき、濡れた状態のまま投入します。
80℃を維持しつつ45分程全体を混ぜながら煮込みました。
使っている染料は低温でも染色を行う事が可能ですが高温の方がよりよく染まる為、80℃まで温度を上げています。
火をかけながら常に80℃を維持したかったため作業場所はキッチンです。
洗い&すすぎ
45分の煮込みが終了後は「洗い」の作業です。
染めた液はすべて捨て、軽く濯いだ後に台所用中性洗剤を適量投入。全体を押し洗いします。
「洗い」の終了後は「すすぎ」です。
泡と色が出なくなるまで徹底的にすすぎます。
染めの作業で一番大変なのは「すすぎ」の作業だと思います。
寒い季節に泡と色が出なくなるまで根気良くすすぐ作業は中々根気のいるものです。
色止め
長ーい「すすぎ」が終了したらお次は「色止め」です。
経験上、綿製品を染めた時はしっかりと色止めをしておいた方が良いですね。
私はRit染料に対応した写真の「ベストフィックス」という色止め剤を使用しました。
こちらはパッケージに使用法が記載されているのでそれに従い作業をしました。
「色止め」の作業は極々単純。
10ℓの水に染めた衣類とベストフィックスと丸々1本投入。
↓
温度を60℃まで上げ、20分かき混ぜる。
↓
洗濯機で洗う。
と言った流れ。
洗っている時の洗浄液の様子です。極端に色は出ていませんがほんの少しだけ色が出ちゃっている感じです。
色止め剤は完全に色を止めるものではなくあくまで色を落ちづらくする製品である事は覚えていた方がいいですね。
色落ちが完全に止まるまでは白系の衣類と一緒に洗う事は避けた方がいいでしょう。雨の日に着用したり、下に白いシャツを着るのも避けた方が良いですね。
さてさて、本題のコートの方はしっかり染まってくれたかな?
はたして結果は?
良い感じではないでしょうか。
before
before
と言う事で今回は友人からご依頼のメルカリで買ったら予想以上に変色していたコートを染めてみました。
「ネットで買い物したらイメージの色と違った!」
「お気に入りのTシャツが何だか色あせてきた!」
少し手間のかかる作業ですが「染め」ってやってみると意外と楽しい作業です。
だんだんと暖かくなりお洋服に関心が高まるこの季節。お休みの日にでもいっちょチャレンジしてみてはいかがでしょうか?