本日はお客様からご依頼の泥だらけキッズTシャツのシミ抜きの様子のご紹介です。
それにしても見事な汚れっぷり!きっと、どこかのタイミングで完全にスイッチが入ってしまったのでしょう。「どうせなら汚せるだけ汚してやろう!」という真っすぐな信念すら感じます。
同時にご家族の絶望の表情も目に浮かびます^^;ご自宅で1度洗濯されたとの事ですがさぞかしご苦労なされたことでしょう。
ご存じの方も多いはず。泥汚れって本当に落ちづらいですよね。特に泥が付着した後に動きまわり繊維の奥深くに潜り込んだパターンは最強クラスに落ちづらい。スライディング後のユニフォームなんかがいい例です。
はたしてこの異次元の泥汚れを私はキレイに出来るのか?強敵の出現にワクワクしつつ、いっちょ作業開始といきましょう!
魔法の洗剤に漬け込み
何やら怪しげなサブタイトルからスタートしましたが、世の中には泥汚れを落としやすくしてくれる何ともありがたい洗剤が存在します。
40℃のお湯にそいつを適量投入、よく混ぜて1時間ほど漬け込みます。
揉み洗い
漬け込み終了後これまた泥汚れに効果大の洗濯用石鹸をこすり付け揉み洗い。
洗濯機で洗う
全体を揉み洗い後、洗濯機で洗います。
果たして結果は?
ガビーン。
余裕で残ってますね(^^;)少々敵を甘く見過ぎていたようです。
こうなったら最終手段といきましょう。
必殺、シミ抜き機
こんな時には必殺、文明の力です。
クリーニング業界にはシミ抜き専用の機械というものが存在します。先端から勢いよく液体が噴射される仕組みの機械です。
こいつを使って落ちやすくなった泥の粒子を生地の外に叩き出してやろうというわけです。
少し専門的な話をすると泥のシミは「不溶性」のシミなんて言われたりします。水にも油にも溶けないので不溶性です。
つまりはシミ抜き剤をつかって溶かして除去することが出来ないタイプのシミなんです。
溶けないシミをどうやって除去するか?シミ抜き機などの物理的な力でシミを繊維の外に叩き出すしかないんですね。
と少し小難しい話をしましたが、作業の様子に戻りましょう。シミ抜き機で泥部分に水を吹きつけてみると、、。
良い感じで泥が生地の外に叩き出されていますね。
こうなればこっちのもの!後はひたすらシミ抜き機による噴射を続けます。
ふうっ。
ここまで来るのに一体どれくらいの時間がかかったでしょうか。もはやゾーンに入り時間の感覚を失っています。(笑)
ラストスパート!
そんなこんなで完成です!
before
before
ということで今回は泥により異次元に汚れたTシャツのシミ抜きの様子のご紹介でした。
父が配送をさせて頂いているお客様でしたので私が直接お品物をお渡ししたわけではないのですが仕上がりに大変ご満足頂き、お礼のお手紙まで頂きました。
お孫さんのお気に入りのTシャツだったようでキレイになったシャツを見て当のお孫さんも大喜びだったとの事でした。
クリーニング屋冥利に尽きますね。この仕事やってて良かったなと思う瞬間です。温かいお手紙ありがとうございました。
記事を書きながら激闘の様子を振り返ってみての今の気持ちは一言。
「楽しかったなあ。」
完全に特異体質の私です。