「むむっ。」
近所のイオンでまたまた気になる洗剤を見つけてしまいました。
その名も「アタック除菌アドバンス」(以下除菌アドバンス)
気になっている方も多いのではないでしょうか。
「アタックは最近新製品が多いなあ。」
そんなことを思いつつ、今回もいっちょ深掘り開始です。
除菌アドバンスは酸性の洗剤
まず何よりも注目すべきは除菌アドバンスは「酸性」の洗濯洗剤であるという点でしょう。
世にある洗濯洗剤のほとんどは「弱アルカリ性」または「中性」です。
同じ花王製の製品で言えば、アタック抗菌EX(旧3X)は「弱アルカリ性」、アタックZEROは「中性」です。
衣類に付く汚れは「酸性」の物が多いです。
「酸性」を「アルカリ」で中和することで汚れを落としやすくしている訳ですが果たして「酸性」の洗剤で汚れをしっかりと落とすことは可能なのでしょうか?
やってみれば分かる事ですよね^^;
洗浄力は後に検証しますのでお楽しみに。
「酸性」の除菌EXの使用で最も注意を払うべきは
『塩素系の製品と一緒に使わない』という点でしょう。
塩素系の漂白剤に酸性の物質が反応すると塩素ガスが発生し非常に危険です。命にかかわる重大な事故につながりますので除菌アドバンスと塩素系の漂白剤は絶対に併用しないようにしてください。
衣類用の塩素系漂白剤で最もメジャーなのはハイターでしょうか。
ハイターで漬け込みをした後に除菌アドバンスで洗うといった行為は厳禁です。
思わずやってしまいそうですが気を付けましょう。
効果・特徴
製品裏面の説明と公式サイトから除菌アドバンスの効果・特徴をまとめました。
①99%除菌
②抗菌
③ウイルス除去
④抗ウイルス
⑤洗濯槽除菌
⑥すすぎ1回OK
⑦色柄物にも安心
⑧クエン酸配合
*すべての菌・ウィルスに効果があるわけでは無いの記載あり
アタックシリーズは多彩な機能が特徴的な洗剤ですよね。
現代人が気になるところの「菌」、「ウイルス」にしっかりとアプローチすることを得意とした洗剤である事が分かります。
「除菌」という言葉に注目してみましょう。
製品に「除菌」という言葉を表示するには外部試験機関において試験を行い、一定の基準をクリアする必要があります。
つまり、除菌アドバンスは外部機関による科学的な根拠の元に「除菌」効果があると認められた洗剤なんですね。
菌がどれだけ減っているかなんて我々消費者には測定しようがないですからね。
外部機関によるお墨付きがあるわけですから『99%除菌』は信用に値する触れ込みと言えるでしょう。
検査方法等について詳しくは以下の花王サイトにて説明してくれていますので興味のある方は是非。
https://www.kao.com/jp/qa/detail/16557/
⑦の「色柄にも安心」な点にも注目してみましょう。
「酸性」の洗剤って何か勝手なイメージで「色が抜けそう」な感じがしませんか?
洗濯によって色が抜ける原因は主に「アルカリ」が原因と言われています。つまりは「弱アルカリ性」の洗剤は色落ちがしやすいんですね。
一方、「酸性」は衣類の色を落としにくいと言われています。むしろ衣類の製造工程で色をしっかりと定着させるために「酸性」物質を使う事もあるくらいです。
そんなことから除菌アドバンスは色落ちの心配の極めて少ない洗剤であると考えていいでしょう。
100%色落ちしない訳ではありませんので心配な場合は色落ちテストをしてから洗濯をしてあげるといいですね。
⑧のクエン酸配合にも注目してみましょう。
クエン酸を普段のお掃除で使用していらっしゃる方も多いかもしれません。
クエン酸には様々な効果が望めますが優れた「除菌効果」もあるんです。
おそらくこのクエン酸が99%除菌を実現した大きな要因でしょう。
クエン酸は「酸性」の物質ですので除菌アドバンスが「酸性」なのも納得です。
洗えるもの・洗えないもの
長くなっておりますがもう少々お付き合いください。お次は除菌アドバンスで何が洗え、また洗えないかを見ていきましょう。
製品裏面の液性、用途、成分+ピンクの□内の表示を読み解くと何が洗えて、洗えないかを知る事が出来ます。
液性
まずは【液性】から。
もう散々お話した事ですが、除菌アドバンスは「酸性」の洗剤です。
「酸性」の洗剤は色落ちの心配が少ない洗剤ですので色落ちが心配な濃色の衣類を安心して洗う事が出来るでしょう。(100%ではありません。)
用途
お次は【用途】
綿・麻・合成繊維の洗濯が可能です。合成繊維とはポリエステル、ナイロンなどの化学繊維の事です。
毛(ウール)や絹(シルク)などのデリケート衣類は洗わない方が良いでしょう。
成分
成分は「蛍光増白剤」に注目です。
蛍光増白剤は白い衣類をより白く見せてくれるという成分です。白い衣類に対しては非常に便利な成分なのですが「生成り」、「パステルカラー」の衣類を色褪せた様に洗い上げてしまう事があるという弱点があります。
除菌アドバンスで生成り、パステルカラーなど淡い色の衣類は洗わない方がいいでしょう。
ピンク□
最後は【ピンク□】
ピンク□内の洗濯表示がある衣類もこの洗剤では洗わない方がいいでしょう。
「水洗い禁止」の表示は当然の事ながら「手洗い」の表示の衣類を洗うのも良くないようです。
まとめます。
除菌アドバンスは
①「酸性」なので濃色の衣類を安心して洗える。(100%ではない)
②綿・麻・合成繊維が洗える。(ウール・シルクは洗えない)
③蛍光増白剤配合なので生成り、パステルカラーの衣類は洗わない。
④下の洗濯表示がある衣類は洗わない。
液性が「酸性」なだけで使い方は他のアタック製品と変わりませんね。
抗菌EXとの違い
お次は気になっている方も多いかもしれません。良く似たパッケージのアタック抗菌EXと今回のアタック抗菌アドバンスの違いを見ていきましょう。
〈抗菌EX〉 | 〈除菌アドバンス〉 | |
液性 | 弱アルカリ性 | 酸性 |
除菌 | × | ○ |
抗菌 | ○ | ○ |
消臭 | ○ | × |
抗ウィルス | ○ | ○ |
ウイルス除去 | × | ○ |
防カビ | ○ | × |
2つの違いは表にすると分かりやすいでしょうか。
決定的な違いはやはり液性ですね。「弱アルカリ性」の抗菌EXは洗浄力が高いという特徴がある反面、その洗浄力の高さゆえに濃色衣類の色落ちが心配です。「酸性」の除菌アドバンスは抗菌EXより色落ちの心配なく洗濯が出来るでしょう。
液性以外は表示されている機能面の比較をしてみました。パッケージやHPに記載されている場合は○、記載されていない場合は×としています。×が書いてあるからと言って全くその機能がないという訳ではないのでご注意を。あくまでその機能に特化した洗剤ではないという意味となります。
抗菌EXは現代のニーズを捉えたオールマイティー洗剤と言ったところでしょうか。「除菌」とまではいかなくても菌、ウィルス、カビにバランスよくアプローチしてくれる洗剤と言った印象です。
一方除菌アドバンスは菌、ウィルスに対する効果を抗菌EXよりパワーアップさせた洗剤と考えると分かりやすいでしょうか。「お父さんの使ったタオルや枕カバーを徹底除菌したい!」なんて方の強い味方になってくれる洗剤ではないでしょうか(笑)。病院の白衣や飲食店のエプロンをご自分で洗っている方にもいいですね。
2つの洗剤の洗浄力の違いも気になりますよね。
そちらは後に比較していますのでお楽しみに。
私だったらこんなものを洗います
これまでの知識を踏まえ、私だったら写真のような衣類を洗います。
①おじさんが使った徹底除菌したいタオル
②厚手のパーカー
③エリ汚れが気になるポロシャツ
④濃色の綿のパンツ
⑤スポーツウェア上下
下着や靴下を洗ってもいいですね。
普段洗濯機の普通コースでガンガン洗っている衣類であれば除菌アドバンスで問題なく洗えます。蛍光増白剤配合なので淡い色の衣類は洗わない方が良かったですね。
汚れが落ちづらい構造をしていてニオイが発生しやすいスポーツウェアにも優れた効果を発揮してくれる予感です。
洗浄力(抗菌EXとの比較あり)
お待たせいたしました。ここを一番知りたかった方も多いのではないでしょうか。
最初の方に少し書きました。衣類に付く汚れには「酸性」のものが多いです。普通は「アルカリ性」で中和をして汚れを落としやすくしているのですが、同じ「酸性」の除菌アドバンスで衣類の汚れはしっかり落ちてくれるのか。
さっそく洗って行きましょう。ちなみに洗浄力については各ご家庭で洗濯の条件が違いますのであくまで一例としてお考え下さい。
水温は30℃。規定の洗剤量を投入し、普通コースで洗いました。
果たして結果は?
すげえじゃん。
「酸性」のハンデをものともせず油、たんぱく系の汚れはほぼ除去出来ています。
色素系は最強クラスの洗剤でもある程度残ります。十分頑張ってくれたと考えていいほどの洗浄力だと思います。
抗菌EXの洗浄力と比較してみましょう。
油、たんぱく質汚れの除去力は同程度と考えて良いのではないでしょうか。
色素系の汚れは弱アルカリ性の抗菌EXにわずかに軍配が上がるといった感じです。
「酸性」は色素系に弱いですからね。仕方のない結果です。
【まとめ】除菌アドバンスは外部機関お墨付きの除菌力。「酸性」でも洗浄力は申し分なしの頼れる洗剤
長々とお付き合いありがとうございました。
今回はイオンで見つけて気になった洗剤「アタック除菌アドバンス」を深掘りしました。
「除菌」アドバンスの名前は伊達ではなくその除菌力は外部機関によるお墨付きの洗剤である事が分かりました。
洗濯洗剤には珍しい「酸性」で色落ちのリスクが少ないものの、塩素系漂白剤との併用は厳禁。蛍光増白剤配合なので淡い色の衣類の洗濯には注意が必要なこともわかりましたね。
「酸性」でありながら十分な洗浄力を持ち合わせていることも忘れてはならないポイントです。
「除菌」を堂々とパッケージに記載することを許されたいわばエリート洗剤の除菌アドバンス。
普段お使いの洗剤の除菌力に不安や不満を感じておられる方には頼れる洗剤となってくれることでしょう。