衣類の保管

衣類保管のイロハを覚えて来年は虫食い、カビとおさらばしましょう

  ※一般社団法人日本テキスタイルケア協会データベースより

上の写真は転んで傷ついてしまった背広ではなく、衣類保管中に虫食いにあってしまった背広の写真です。衣類の保管を正しくしないと大切な衣類が思わぬ被害にあってしまいます。今回は大切な衣類を虫やカビ、変色の被害から守る為の保管のコツをご紹介します。

■敵は湿気と虫

衣類をクローゼットや衣装ケース、またはタンスに保管する場合、気をつけるのは湿気によるカビや変色、繊維を食べる虫による虫食いです。この湿気と虫をどう防ぐかが衣類保管のポイントとなります。具体的な方法を以下で紹介します。

※衣類をクローゼットなどに収納せず部屋にそのままハンガーがけしている場合は紫外線にも注意が必要です。蛍光灯からも紫外線は出ており衣類を変色させてしまう可能性があるので綿の布をかけるなどして対策してください。使わなくなったシーツなどでもいいです。

①しまう前に洗う

保管前に衣類をしっかりとあらっておかないと皮脂や汗が衣類を変色させたり、残った汚れがカビを発生しやすくさせたり、虫食い被害を増大させたりします。いいことは一つもないので一度でも着た衣類は必ず洗ってから保管するようにしましょう。

②湿気を溜めない

スペースが少ないからと衣類を詰め込み過ぎるのは湿気がたまりよくありません。

1つ覚えておいて損がないのは「湿気は下に溜まる」ということ。たたみの衣類は重ねて保管するのではなく上の写真のように立てて並べて保管すると湿気がたまりづらいですしシワにもなりにくく、一目でどこに何があるかわかるのでおススメです。

収納スペースが段になっている場合は下の段に湿気に比較的強い綿や麻などの夏物衣類、上の段にウールやカシミヤなどの冬物を保管するといいと思います。

当然、1階より2階で保管した方が湿気対策になります。カラッと晴れた日に部屋の窓を開けクローゼットやタンスを開け放ち湿気を逃してやるのも効果的です。余裕がある場合はすべての衣類を出して直射日光の当たらない場所で衣類を干す「虫干し」を行うとさらに効果的です。

梅雨明け後の7月下旬から8月上旬のカラッと晴れた日に行います。除湿剤を使うという手もあります。除湿剤は保管場所の下の方に置いて下さい。

③防虫剤を使う

衣類を食べる虫に関しては防虫剤の使用がもっとも効果的です。衣類をキレイにし、湿気に気をつけても虫が衣類に卵を産んでしまっては被害を防げません。防虫剤を使って虫による被害を防ぎましょう。防虫剤は種類が多くて困ってしまいますよね。

防虫剤名(薬剤名) 主な特徴 避けたい製品
パラジクロルベンゼン 揮発性が高いので効果が早い。使用量や収納スペースによって異なるが、約3~6カ月程度効果があるといわれています。 金糸・銀糸・ラメ製品・スチロール樹脂の付属品や人形類・合成皮革
ナフタリン 効果はゆっくりしているが、持続性があるのが特徴。使用量や収納スペースによって異なるが、約12カ月程度効果があるといわれています。 合成皮革製品
しょうのう 穏やかな効き目であり、絹製品などにも適している。使用量や収納スペースによって異なるが、約6カ月程度効果があるといわれています。 金糸・銀糸等との接触に注意
ピレスロイド系 臭いがつかないことが最大の特徴。使用量や収納スペースによって異なるが、約6~12カ月程度効果があるといわれています。 真ちゅう等の銅合金の付属品

出典:東京都クリーニング生活衛生同業組合

防虫剤は主に4つのタイプに分けられます。表の上の3つは匂いがあり他の防虫剤との併用が出来ません。1番下のピレスロイド系は匂いがなく他の防虫剤との併用が可能で現在の主流です。ムシューダなどが有名ですね。最近ではオーガニックの防虫剤なんかもあります。ただ、どの防虫剤も一緒に保管するのを避けた方がいい衣類がありますのでご自身の持っている衣類に合わせて防虫剤を選んで下さい。

※防虫剤の成分は下に広がっていくので使用の際は衣類の上に置くのが正解です。吊り下げ式の場合は真ん中に吊り下げ成分が均等に行き渡るようにします。

長々と説明してしまいましたが理屈はとてもシンプルでしまう前にしっかり洗い、湿気と虫食い対策をする。これだけです。

大切な衣類を守り、来年もしっかり活躍してもらいましょう!

衣類の収納スペースに悩んでいる方やどうしてもカビや虫食いの被害にあってしまうという方は当店の衣類保管サービスもご検討下さい。