フリースが活躍する季節ですね。特に寒い季節は毛足の長いモコモコのボアフリースが大活躍です。ボアフリースの悩みと言えば毛が着用により寝てしまいモコモコのボリュームがなくなってしまう事。
と言う事で今回は寝てしまったフリースの毛のモコモコの復活に挑戦します。
今回は私物ではなくお客様からクリーニングの依頼があったパタゴニアのレトロXというフリースのモコモコ復活の様子を許可を頂き掲載させてもらっています。
フリースは外からの冷たい風を通してしまうという弱点があります。レトロXは写真のメッシュの裏地が外からの風を防ぎつつ中の蒸気を逃す役割を果たしその弱点を克服しています。デザインだけではなく機能性にも優れた毎年入手困難になるパタゴニアの名作です。 キレイで状態の良いお品物なのですが良く見てみると、、
背面 腰付近
ソデ
圧がかかりやすい腰、ソデ周りの毛が寝てしまいボリュームがなくなっています。
こいつを再びモコモコにします。
どうするか?
良く知られている方法ですがペット用ブラシを使用します。モコモコのボリュームがなくなる原因は圧力で毛が寝てしまう+毛が絡まっている事です。ペット用ブラシで毛を起こしつつ、絡まりをほどいてやります。
力を入れ過ぎず優しく撫でるようにブラシを通してやります。あまりゴシゴシやると毛が抜けちゃいます。倒れている方向と反対方向にとにかく優しく。
腰、ソデ以外は十分ボリュームが残っているのですがバランスを取るためほんの少し、1回サッとこする程度にブラシをかけました。
こんな感じで絡まりがほどけ、サラサラになります。
しかし、レトロXは毛束感が命。サラサラのままではよろしくないので毛束感を復活させます。
どうするか?
単純です。
洗います。
レトロXはしっかりした作りですし毛も細くはないので通常コースで洗濯して問題ありません。ある程度の機械力をかけ、再び毛を少しからませまとめてやるイメージです。
毛束感が必要ない毛布などの毛が寝てしまった場合は洗った後にブラシをかけるとサラサラのいい感じになります。
すると、、。
after
before
わかりづらいですね^^;
before
ソデ部分を見てみると分かりやすいと思います。光の加減で薄くなったように見えますが色変化はありません。
お客様にも喜んで頂き衣類再生の楽しさを改めて感じた作業となりました。
ブラシ使いに少しコツがいるので最初のうちは慎重過ぎるくらい優しく丁寧にやってみて下さい。
毛束感はすべてのフリース製品で完璧に復活する訳ではないのでご注意下さい。復活したとしても周りの毛束との風合いの違いを少なからず感じる仕上がりになると思います。
ご自分でチャレンジされる場合は目立たない場所に小さい範囲でブラシをかけて洗い、どの程度毛束が復活するか確かめてからより広い範囲をブラシする事をオススメします。