今回はお客様よりご依頼の夏用ジャケットの黄変除去+色掛けを行います。
写真のように折り返してちょうど肌と触れている部分が黄色く変色しています。Yシャツなどで経験のある方もいらっしゃると思いますがこのエリの黄変の原因は汗、皮脂がついたまま洗わずに一定期間を空けてしまった事によります。
こうなってしまうと汚れが酸化してしまっている為、通常のクリーニングでは落とし切れません。漂白によるシミの除去が必要となります。
実際に作業にうつります。漂白剤を黄変部分に塗り付け、蒸気を当てて漂白剤の作用を促進し、シミを分解します。
「漂白剤塗って、蒸気でシュー♪」
と簡単にいけば最高なのですが、実際は生地を痛めないよう生地に合わせた漂白剤の濃度、蒸気を当てる時間の長さなど調整する必要があるので中々神経を使う作業です。シミが落ちるまで繰り返します。
漂白剤によって生地はアルカリに傾いているので中和剤を塗布し、中和します。生地の種類によってはもう1種類中和剤を塗布することもあります。
シミはバッチリ落ちたのですがキレイになった部分が白っぽくなってしまいました。今回のようなベージュ色の製品はシミと同時に色が抜けてしまう事が多いです。色掛けで色を修正します。
色を作り、筆で白くなった部分に色を入れていきます。
完成です。
before
キレイになりました。
今年の夏もやはり暑かったのでお世話になった衣類には汗や皮脂がたっぷり染み込んでいると思われます。しまう前にしっかり洗い、憎き黄変をしっかり防いで頂きたいと思います。