修理&色修正

漂白&洗いによりカピカピになったレッドウィングを染める

3回に渡りお送りしているレッドウィング復活計画。前回は深めの傷を埋める様子をお送りしましたが初回に強い洗いを行った事による

①色落ち

②光沢の消失

③ソールに色が滲む

の問題は未だ解決されていません。

最終回の今回はその問題を解決しつつ、全体の色の「染め替え」をしてみようと思います。

「染め替え」とは文字通り染料を使い、ある色をある色に染めて色を替えること。今回は茶色のレッドウィングを黒に染め替えてみます。最初に漂白剤まで使って最大限汚れや油分を取り除いた理由は実はここにあります。汚れや油分が靴に残っていると染料を弾いてしまい、革にうまく色が入りません。靴にダメージを与えてしまいますが染め替えをする為にあえて強い洗いを行いました。

本題に戻りますが、染め替えには写真の皮革用液体染料なるものを使用します。

刷毛を使って

塗っていきます。

染料は薄めずそのまま使用します。

私はすっかり忘れていたのですが本来はソール部分に染料が付着しないようテープを使ってマスキングを行います。色が塗りやすいように靴の内部にはシューキーパーが入っています。

こんな感じに染まります。白のステッチ部分も黒く染めました。

両方染まりました。

ただ前回、傷を補修したつま先の部分はうまく染まりません。

真っ白のカチコチの石膏のような素材なのでうまく染まらないのは当然です。

そんな時はこんな物を使ってみます。

革製品用の着色補修クリームと呼ばれるものでアクリル樹脂と顔料で出来ています。

簡単に言ってしまえばペンキのようなもので、染まらないのであれば表面に色を乗せてしまおうという作戦です。

傷を補修した部分に綿棒で塗ります。

10分乾燥させた後、布で拭き取り全体になじませます。

補修した部分だけ光を反射するので白く見えますがしっかり色はついています。ここで一晩じっくり乾燥させました。色を取り戻した所でお次は失われた光沢を取り戻す作業です。光沢が失われた原因は水分と油分が強い洗いにより失われてしまった為です。乳化性クリームというクリームを塗り込み革に水分と油分を補給してやります。黒色の乳化性クリームを使用しているので同時に色も付けられます。

ブラシを使い塗り込んでいきます。

豚毛のブラシを使い、クリームを全体に馴染ませます。

仕上げに布で余ったクリームを拭き取ります。同時に全体を磨きます。

すると、、

バッチリ光沢が戻りました。(左側)

いい感じです。

最後はソールの汚れ落としです。

最初の洗いによる染料の滲みとマスキングを忘れた事による汚れが目立ちます。

知ってる人は知っている。ソールの汚れにはメラミンスポンジ(激落ち君)

が良く効きます。

それでも残る場合はこの靴の素材の場合は紙やすりで表面を軽く削ってやるとキレイになります。

良く見ると少し残っていますがいい感じではないでしょうか。

靴ヒモも新しくして完成です。

before

大分イメージが変わりました。

3回に渡りお送りしたレッドウィング復活計画。細かい所を見ればやはり素人の仕事と言った感じですがあのボロボロの状態から比べれば大分良くなったのではないかと個人的には満足しています。

1つ心配なのが強く洗った事により色の定着が弱まり、雨の日に履いたりしたら色が出て来てしまうのではないかと言うこと。まあ、すべて自己責任でやった事ですのでそちらともうまく折り合いをつけつつ、またガンガン履き潰していこうと思います。

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