「何だこれは。」
ブログで良く深掘りをしているせいか洗剤の新製品をチェックする癖がすっかりついてしまった私。
近所のイオンで気になる洗剤を見つけちゃいました。
その名も「アタックZEROパーフェクトスティック」(以下「パーフェクトスティック」)
以前、深掘りしたアタックZEROは液体の中性洗剤でしたがパーフェクトスティックはどうやらそれとは様子が違う雰囲気。
ジェルボールのスティック版?
中身は液体?粉末?
洗浄力は?
様々なギモンが頭を駆け巡ります。
こうなってしまっては買ってみて深掘りしない手はありません。
ということで今回は近所のスーパーで華々しくデビューを飾ったパーフェクトスティックを深掘りです。
パーフェクトスティックは粉末の洗剤
まずはパーフェクトスティックの見た目と構造のご紹介から。
「スティック」の名の通り細長いスティック状の形状をした洗剤となっております。
ジェルボールのように中身は液体の洗剤と思いきやなんと粉末。
粉末洗剤を水に溶ける薄い膜で覆った構造となっているようでございます。
CMでご覧になった方も多いでしょう。このスティックを洗濯機にポン、スイッチを押すだけで洗濯完了です。面倒な計量が必要ないのは忙しい方にはやっぱり嬉しいですよね。
スティック1本でドラム式であれば2kg~6kg、縦型なら30L~60Lの洗濯が可能だそうです。
誤飲を防ぐ為にパッケージ内側がジップロックのような構造になっています。お子様のいるご家庭には嬉しい機能ですね。
効果・特徴
製品裏面の説明と公式サイトからパーフェクトスティックの効果と特徴をまとめてみました。
①消臭
②抗菌
③洗濯槽防カビ
④すすぎ1回OK
⑤蛍光増白剤無配合
*「すべての菌、カビに効果があるわけではない」の記載あり。
アタックZEROシリーズは我々が日々の洗濯に求めている機能をしっかりと押さえてくれている印象です。形を変えても抗菌、防カビなどの効果が望めるのは嬉しいポイントですね。
溶けにくい粉末にもかかわらずすすぎ1回OKなのも嬉しいですね。おそらく洗剤を溶けやすくする技術がしっかりと搭載されているのでしょう。
蛍光増白剤とは白い衣類をより白く見せてくれる成分です。Yシャツなどをより白く洗い上げたい方には嬉しい成分なのですが、生成り、パステルカラーの衣類を白っぽく洗い上げてしまう事があるという弱点があるんですね。
つまり蛍光増白剤入りの洗剤で生成り、パステルカラーの衣類は洗わない方が良いのです。
パーフェクトスティックはこの蛍光増白剤を無配合にすることで生成り、パステルカラーの衣類を洗う事を可能にしています。1度により多くの衣類を洗いたい人にとっては嬉しい特徴ですよね。
洗えるもの・洗えないもの
お次はどんな衣類が洗え、洗えないかを見ていきましょう。
製品裏面の液性、用途、成分+ピンクの□内の表示を読み解くと何が洗えて、洗えないかを知る事が出来ます。
液性
【液性】は弱アルカリ性とあります。洗濯洗剤には「弱アルカリ性」と「中性」があるのですが、一般的に「弱アルカリ性」洗剤の方が「中性」の洗剤より洗浄力が高いと言われています。
洗浄力が高いのは嬉しいポイントなのですが同時に衣類に与えるダメージも大きいので特に色の濃い衣類の洗濯は色落ちテストをしてから行った方が良いでしょう。
用途
お次は【用途】
綿・麻・合成繊維の洗濯が可能です。合成繊維とはポリエステル、ナイロンなどの化学繊維の事です。
毛(ウール)や絹(シルク)などのデリケート衣類は洗わない方が良いでしょう。
成分
次は【成分】です。
まずは何と言っても「純石けん分(脂肪酸ナトリウム)」に注目です。
『洗えるもの・洗えないもの』のテーマには直接関係のない成分なのですが洗濯屋としては思わず「おっ!」と注目してしまった成分ですので少々お付き合いください。
この「純せっけん分」とは皆様ご存知の通り手を洗う時に使う(使っていた?)あの石けんと同じ成分です。
石けんは肌や環境に優しく優れた洗浄力を発揮する優れものなのですが扱いが難しく、特にうまくやらないと石けんカスと言われる白いカスが衣類に残ってしまうという重大なデメリットがあります。そのため、時短や手軽さが求められる最近の洗剤にはあまり使われる事のない成分なんですよね。
どういった意図でこの石けんをパーフェクトスティックに配合したのかは分かりませんが果たして最大のデメリットである石けんカスをうまく防いでくれるのか?この後、洗浄力テストで実際に衣類を洗ってみますので結果に注目ですね。
本題に戻り、お次は炭酸塩という成分に注目です。
洗濯の世界ではビルダー(助剤)と呼ばれる成分で簡単に言えば洗浄力をパワーアップさせてくれる成分です。こいつを使っていることからも洗浄力が高めの洗剤と言う事が分かりますのでやはり色の濃い衣類の洗濯には注意が必要ですね。
最後は酵素に注目です。
酵素は特に食べ物のたんぱく質汚れに効果を発揮する成分です。たんぱく質そのものであるウールやシルクをこの洗剤で洗ってはいけないことがここからも分かりますね。
蛍光増白剤無配合なので生成り、パステルカラーの衣類が洗えることも念のためもう1度確認しておきましょう。
ピンク□
最後はピンク□です。
写真の洗濯表示がある衣類は洗わない方がいいでしょう。
長くなったのでまとめます。
まとめ
アタックZEROパーフェクトスティックは
①綿、麻、合成繊維が洗える。
②ウール、シルクは洗えない。
③「弱アルカリ性」の洗剤なので濃色の衣類の洗濯は色落ちテスト
④蛍光増白剤無配合なので「生成り」、「パステルカラー」の衣類が洗える
⑤下の洗濯表示があるものは洗わない。
私だったらこんなものを洗います
今までの知識を踏まえ私だったら上の写真のような衣類を洗います。
①エリ汚れが気になるポロシャツ
②濃色の綿のパンツ(色落ちテスト済み)
③パステルっぽいパーカー
④生成りっぽいチノパン
⑤、⑥スポーツウェア上下
この洗剤で濃色の衣類が絶対に洗えないという訳ではありません。色落ちテストをしていなくても何回も洗っている衣類、スポーツウェアのような化学繊維の衣類であれば問題なく洗えると思います。(100%ではありません。心配な場合は色落ちテストをお願いします)
タオルや下着を洗ってもいいですね。
洗浄力(アタックZEROとの比較アリ)
お次はお待ちかねの洗浄力を見ていきましょう。
ファンデーションは油汚れ=「皮脂」
卵はタンパク汚れ=「食べ物」
カレーは色素汚れ
を想定しています。
ちなみに洗浄力については各ご家庭で洗濯条件が異なる事と思いますのであくまで参考程度にお考え下さい。
それでは洗って行きましょう。
パーフェクトスティックは水や衣類を入れる前に投入しておくといいようです。(ドラム式も同様)
液温は30℃。水量は55L。洗濯機の普通コースで洗いました。
粉末洗剤は溶けにくいので本当は40℃のお湯で洗いたい所ですが低い温度でどれほどしっかり溶けてくれるか実験をしたかったのでちょっと意地悪ですがあえて30℃で洗っています。
果たして結果は?
良い感じですね。
普段、衣類が極端に激しく汚れない方には十分な洗浄力だと思います。
アタックZEROの洗浄力と比較してみましょう。
油(ファンデーション)は正直アタックZEROの方が良く落ちている印象です。たんぱく質(卵)はパーフェクトスティックの方が良く落ちている気がしますね。カレーに関してはパーフェクトスティックがわずかながら勝っているといった感じでしょうか。
ちなみに気になる洗剤の溶け残り、石けんカスの発生はありませんでした。
粉末洗剤って本当に溶けにくいんです。その中でも特に溶けにくい純石けん分を使ったこの洗剤を低い温度で溶け残りゼロにしてくる技術力はお見事です。冬場の冷たい水でどうなるかも気になるところですね。
いずれにせよ粉末の洗剤は可能であれば40℃のお湯で洗濯することをオススメします。洗浄力も格段に上がりますしね。今回の結果よりどの汚れもしっかり落としてくれるでしょう。
コスパ
最後にパーフェクトスティックのコスパについて見ていきましょう。
普段、洗剤のコスパについて書くことはないのですが、パーフェクトスティックを購入し、開封してみてビックリ。スティックが7本しか入ってないではありませんか。
「コスパ悪いんじゃ、、。」
さすがの私も気になってしまったので同じ「洗濯機にポン」タイプのアリエールジェルボールとのコスパの違いを調べてみました。値段は近所のイオン調べです。
パーフェクトスティック | ジェルボール |
7本入り=217円→1本あたり31円 | 11個入り=327円→1個あたり約30円 |
24本入り=767円→1本あたり約32円 | 23個入り=764円→1個あたり約33円 |
ごめんなさい。ジェルボールとほぼ同じでした^^;
7本入りは217円とかなりお安い値段だったんですね。新登場の洗剤なのでお試し的な感じで7本と言う少ない本数なのかもしれません。
【まとめ】アタックZEROパーフェクトスティックは洗濯機にポンでOKの便利洗剤。アタックZEROとどっちを選ぶか迷う。
今回はCMや店頭で大注目のアタックZEROパーフェクトスティックを深掘りしてみました。
名前の通り粉末洗剤をスティック状にした洗剤で、洗濯機にポンでOK。
濃色の衣類には注意が必要なものの。蛍光増白剤無配合で幅広い衣類が洗え、洗浄力も上々である事が分かりました。最近の洗剤にしては珍しい純石けん分が使われている洗剤でもありましたね。
便利で洗浄力も十分な洗剤なのですが普段、液体洗剤のアタックZEROを使っている方はどっちを使ったらいいのか地味に迷ってしまう洗剤でもありますよね。
パーフェクトスティック | アタックZERO | |
便利さ、時短 | ○ | △ |
コスパ | △ | ○ |
洗浄力 | ○ | ○ |
表にするとこんなところでしょうか。
便利さ、時短の面から考えると計量の必要がなく洗濯機にポンでOKのパーフェクトスティックに軍配が上がるでしょう。
コスパで考えるとパーフェクトスティックは1回あたり約30円、アタックゼロは約20円ですのでアタックゼロに軍配です。(私の地域の商品の値段、洗剤の使用量で計算した場合)
洗浄力はわずかながらパーフェクトスティック優勢ですがどちらも日常の汚れ程度なら十分に落としてくれるほど優れたものと言っていいでしょう。
細かい所をみるとアタックZEROにはウイルス除去成分が配合されていたりしますね。パーフェクトスティックには配合されていないようです。
といった具合で長々とお付き合いありがとうございました。
これにて深掘りは終了です。
それにしても洗濯洗剤の商品リリースのスピードはすごいですね。毎年常に新しい商品が発売されそのたびに私たちのニーズに合わせ進化を遂げています。
商品の進化は嬉しい事ですが種類が多すぎて何を使っていいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
すべての商品をカバーするのは難しいですがCMなどで良く目にする有名所は出来る限り深掘りし、ご紹介していこうと思いますので今後も参考にして頂けると幸いです。