シミ抜き・特殊加工

バッグの内側のベトベトの正体はコーティングの劣化です

写真のようなバッグやリュック、内側がこのようになったことありませんか?

一見カビに見えますが防水の為にバッグの内側にほどこされたコーティングが劣化し剥がれ落ちてしまった状態です。ベトベトしていて時間がたつと変な臭いがしてきます。このコーティングがされているバッグはいつか必ず写真のようにコーティングの剥離がおきます。寿命は3年~5年と言われています。

今回はベトベト、時によりちょっと変な臭いのするこのコーティングを除去します。コーティングを除去しても水を防ぐ力は落ちますがバッグとして使用する分には全く問題ありません。

◼重曹に一晩漬ける

よく知られているのが重曹を使用してコーティングをさらに分解し除去してしまう方法です。6リットル、40℃くらいのお湯に重曹100gを入れ一晩漬け置きします。時々かき混ぜてやります。

※グレゴリーの場合、チャックの取手に写真のような革製の持ち手が付いています。水に漬けると風合いが変わってしまうので漬ける前に取り外します。

一晩漬けた状態です。コーティングが溶け出しお湯が黄色っぽくなっています。

一見キレイになったように見えますがしぶといコーティングはまだ残っていますので洗濯用ブラシでこすり落としてやります。

◼洗い、すすぎ、乾燥

お湯を捨て、洗濯用中性洗剤で手洗いします。その後濯ぎをし、日陰で自然乾燥させます。詳しい洗い方については以前リュックを洗うで紹介していますのでそちらをご覧になってみて下さい。

終了です。簡単ですね!

と言えたらいいのですがこの作業の大変な所は現役バリバリの元気なコーティングが残っているパターンが多いと言う事。

何年も放置していてコーティングが完全に分解されている状態なら1回で落とせる可能性が高いですが一部が劣化し始め元気な部分が残っているパターンは

漬け込み→こする→洗う→濯ぐ→乾燥を何回も繰り返す必要があります。

今回はもちろん後者です^^;

一晩漬けて、こすって、洗ってを3回繰り返した状態です。まだしぶとく残ってます。タグの裏や持ち手の裏は劣化の速度が遅いようです。このコーティングは紫外線でも劣化するので表のタグや持ち手が紫外線を防ぎ劣化を遅らせていたものと思われます。

しかしさすがに3回も漬け込めばコーティングはかなり剥がれやすくなっています。最後の仕上げはクリーニング屋の底力、機械力を利用し一気に落とします。

ご家庭の場合は乾いた状態で洗濯用スポンジのザラザラしている方でこすると良くとれます。

キレイになりました。

before

コーティングを除去した分の防水力は防水スプレーで補います。シリコン系の防水スプレーを使用しています。

※写真のシャッターに気をとられスプレーがつきすぎています。もっと薄くて大丈夫です。

ちょっとした雨ならしっかりガードしてくれそうです。

持ち手を戻し、アイロンをして完成です。外側の汚れもキレイになりました。

このコーティングは水を使うシチュエーションを想定したコーティングなのでアウトドアブランドやスポーツブランドのリュック やバッグに多く見られる加工です。

防水性を気にしなければコーティングを除去してしまってもまだまだ現役で活躍してくれます。昔使っていた思い出のリュックなど久々に引っ張りだして使ってみるのも面白いかもしれません。

水につけない方がいいバッグやリュックもありますので判断に迷う時はご相談下さい。